キャッシュフロー表のすすめ 5

次に65歳以降の介護保険料の見通しについてお話しします。

会社等を退職すると介護保険の第1号被保険者となり、それまで健康保険料と一緒に天引きされていた介護保険料は市区町村(区は東京特別区)へ直接支払うことになります。

介護保険料は、介護サービス利用者数や施設の充実度などを反映して自治体ごとに異なっていて、最大2.74倍の差があります(2024~2026年度)。基準額の全国平均は74,700円(6,225円)、最高額は大阪市の110,988円(9,249円)、最低額は東京都小笠原村の40,488円(3,374円)です。なお、福岡市は82,784円(6,899円)と全国平均よりやや高い水準となっています(金額は年額。括弧内は月額)。基準額全国平均は最近約10年間で17.5%上昇しています(2015~2017年度との比較)。

基準額とは、被保険者が負担する介護費用の総額を被保険者の人数で割った介護保険料の標準的な金額です。
実際に支払う保険料は、基準額を標準に主として年間合計所得金額(「合計所得」については前回の説明をご覧ください)でランク分けされています。国が提示している標準ランク数は13ですが、福岡市は15段階となっています。

福岡市を例に取ると、第1段階から第3段階までは世帯全員が市民税非課税の場合で年間保険保険料は20,282~56,707円、第4段階と第5段階は本人が非課税だが世帯内に市民税課税の人がいる場合で74,506~82,784円、第6段階から第15段階までは本人が市民税課税の場合で91,063~223,517円です。

福岡市の場合、市民税が非課税となる合計所得の上限は単身世帯で45万円、扶養家族が1人の2人家族では101万円となっていて、収入が公的年金だけの場合の収入額に置きなおすと、それぞれ155万円、211万円になります。

福岡市のランク分けの基準について補足しますと、第1から第5までは公的年金の部分を所得ではなく収入額で評価します。第1~第3は80.9万円と120万円を境界とする3段階、第4と第5は80.9万円を境界とする2段階です。生活保護受給者と老齢福祉年金受給者は第1段階となります。第6~15は基準が合計所得だけとなり、第6が合計所得125万円未満、第7が200万円未満、以下100万円刻みで第15段階は900万円以上(保険料は223,517円(上限額))となっています。

年金収入が300万円の場合、合計所得金額は公的年金等控除額110万円を差引いて300ー110=190万円ですから、年間介護保険料は第7段階の107,620円になります。

まとめると、65歳以上の介護保険料は市区町村別になるので、居住自治体の基準額が全国のどの水準なのかを確認し、次いでご自身の所得額の見通しから年間介護料を見積もることになります。より正確な見積もりは各自治体のサイトから確認しなければなりませんが、キャッシュフロー表の作成に必要十分な程度なら以上の説明で可能ではないかと思います。