キャッシュフロー表のすすめ 10

 次は医療費控除について説明します。医療費控除の金額は、実際に支払った医療費の合計額から10万円を差引いた額です。差引く「10万円」は、総所得金額等が200万円未満の場合は、「総所得金額等の5%」になります。保険金や高額医療費などで補填される金額があれば、その対象となった各医療費の金額を限度として差引きます。
 医療費控除の年間上限額は200万円とされています。
 控除の対象になる医療費としては、まず「医師または歯科医師による診療または治療の対価」と「治療または療養に必要な医薬品の購入の対価」があげられていて、保険外診療(自費診療)でも、「治療目的」であれば医療費控除の対象となりますが、「治療目的」ではなく美容や健康増進(健康診断、ビタミン剤など)目的の場合は対象になりません。医師によるものなくても、看護師などによる療養行為、助産師の介助行為、指圧やはり・きゅうなどの施術など、また、介護保険によるサービスの自己負担額も医療費控除の対象になることがあります。
 従来からの医療費控除とは別に「セルフメディケーション税制」という特例が設けられています。健康の保持増進および疾病の予防への取組として「一定の取組」を行っている人が、薬局やドラッグストアで年間12,000円を超える指定医薬品(スイッチOTC医薬品)を購入した場合、12,000円を超える部分の金額(88,000円を限度)を控除できる制度です。スイッチOTC医薬品とは、医療機関で処方されている薬と同じ有効成分が入っている医薬品を市販薬へ転用(スイッチ)されたものとして指定列挙されたもので、解熱鎮痛剤、胃腸薬、湿布・塗り薬などが主なものです。「一定の取組」とは、健康診断や予防接種などのことで、確定申告の際にこれをを行ったことを明らかにする書類を提出する必要があります。
 スイッチOTC医薬品の多くは従来からの医療費控除の対象となる医薬品と重なりますが、どちらか一方の控除しか選べません。
 医療費が年間10万円に届かないため通常の医療費控除が受けられないと思っている方は、セルフメディケーション税制の適用を考えてみてはどうでしょうか。
 なお、納税者本人のためだけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費もこれらの医療費控除の対象になります。