キャッシュフロー表のすすめ 12

「キャッシュフロー表のすすめ 7」から前回「11」まで紹介したもののほかにも、災害や盗難などで生活に必要な資産に損害を受けた場合に受けられる雑損控除などいくつかの所得控除がありますが、ここでは割愛します。 

「7」でみたように、各所得項目の所得額をたしあわせた金額(所得控除前の課税所得)から前回までの所得控除額を差引いた金額が「所得控除後の課税所得」(以下単に「課税所得」と記します)となり、この金額に税率を乗じるなどの計算をした結果が所得税額となります。
 所得税率は5%から45%まで7段階の累進制で、「課税所得×税率-控除額」が所得税額(税額控除前)となります。国税庁の「所得税の速算表」にここまでの計算で得られた課税所得をあてはめて計算するとよいでしょう。これで所得税の計算は一段落です。
 「7」で例にあげた給与収入500万円(他に収入なし)、所得控除前の課税所得額356万円の家族の場合、所得控除が基礎控除68万円、配偶者控除38万円、扶養控除38万円、社会保険料控除8万円の計152万円とすると、課税所得額は356万-152万=204万円となり、「所得税の速算表」から所得税額(税額控除前)は、2,040,000×10%-97,500=106,500円となります。

ただ、ここまでは総合課税の計算であり、土地建物や株式等の譲渡所得、配当所得、退職所得など、総合課税の計算から切り離して計算する分離課税の所得項目はそれぞれの税項目ごとに税額を計算しなければなりません。これらの税項目のうちキャッシュフロー計算表の作成で織り込んでおいた方がよいと思われるものを、次回から取上げます。 

なお、「各所得項目の所得額をたしあわせた金額」が所得控除前の課税所得になると言ってきましたが、総合課税の一部の税項目では、たしあわせる際に所得額に 1/2 (50%) を乗じるものがあります。「一時所得」と「土地建物や株式等以外の譲渡所得のうち期間が5年超のもの」がそれで、多額の所得額(収入-支出-特別控除50万円)が見込まれるものは試算の段階で税額を概算しておいた方がよいでしょう。